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アマチュア無線関連
※チューナーの故障の原因になりますので、FT8などデジタルモードで100W以上の運用をする場合には、最大入力200W以上のアンテナチューナー(RT/RC600など)をご使用頂きます様お願い申し上げます。

エレメントの製作

今回のアンテナのエレメントは、エナメル被覆銅線とステンレスワイヤーの二種類を使います。
トップエレメントとなる水平部は、ステンレスワイヤーとし、釣り竿の外に添わせる部分はエナメル線とします。

エレメントワイヤーを張る(少し改良しました)

釣り竿先端の詳細図

エレメントは、斜め部分を0.8mmのエナメル線、水平部分を1.0mmのステンレスワイヤーとしました。
性能を重視すると、全てエナメル線としたいところですが、エナメル線の場合かなり張力をかけなければピンと張ることができず、あまりかっこよく仕上がりません。 ですから今回は、水平部分のみをステンレスワイヤーとし、見栄えを良くするとともに、施工時の取り回しの良さを考えています。
水平エレメントを釣り竿に繋ぎ止めるため、釣り竿の先端にステンレスワイヤーで輪を作り、一方を釣り竿の中に入れ込んで圧着スリーブで抜けないようにします(詳細図参照)。圧着工具を持っていない方は、釣り道具の噛みつぶしおもりなどで代用することもできます。
水平エレメントをその輪の中に通してインシュロックなどで絞ってやります。水平エレメントと斜めエレメントは、取り回しを良くし、また長さ調整をし易くするためギボシ端子で接続します。もちろんギボシ端子無しで一本ものとしても良いです。

釣竿を伸展する

継ぎ目にテープを巻く

数週間、またはそれ以上の常設設備とする場合は、釣り竿の段のすっぽ抜けの対策をします。強風と昼夜の温度差に常にさらされていると、すぐに緩んで段が落ちてしまいます。段が落ちるとループ長が短くなり、同調周波数がかなり上がってしまいます。
各段を十分に引っ張って継ぎ部分をしっかり篏合させ、ダクトテープなどの強力なテープで補強します。
※絶縁用のビニールテープなどはほとんど補強の役目を果たしません。屋外でも使える耐候性のダクトテープを使うと良いです。

バランを取り付ける

1:4バランを追加

今回のデルタループはV字部分が90度の直角二等辺三角形で、この形状だとインピーダンスが約200Ωになります。 しかし多少インピーダンスが高くても、その整合をするためにATUがあるのだから、バランはなくても大丈夫だろうと考えていました。 実際、数あるブログや無線雑誌を読みかじってみると、ATU併用であってもバランを取付けるべきと言う意見と、ない方が良いという意見の両方があります。 しかしここは何事も実験です、どちらの意見もあるのなら両方の方法を試してみましょう。
1:4の不平衡-平衡バランを購入し、取付けてみます。 バランとATUの接続ケーブルは最短距離として下さい。
果たしてその効果は?というと、送受信において明確な性能の差は見られませんでした。 しかしATUはQRVしたことのない周波数で初めて送信する場合や、天候などの影響でSWRが上限値を超えた場合に、適切なLとCの組み合わせを探すべく、真っ白な状態からチューニングをしていくのですが、その時間が数秒から、長い時は30秒程度時間を要すことがあります。バランの追加によって、このチューニング時間が短くなるように感じました。特にローバンドでその傾向が顕著になるようです。
いくらATUで調整するとは言え、やはりインピーダンスが200Ωもあるアンテナを直に繋ぐことに比べ、バランで予めインピーダンスを下げた状態で繋ぐ方がATUの負担も減るということなのでしょう。次のページで書いたように、ATUに過度の負担をかけることは回路の故障を招き、ひどい場合はコイルやリレーが焼損することもありますので、その予防になると思います。
また性能に関係はありませんが、組立てのことを考えると、ATUとバランを同軸でつなぎ、エレメントをバランに圧着端子で取り付ける方が収まりが良いです。
ということで、結果的にバラン常設で使用することにしました。

エレメント長を調整する

アンテナアナライザで測定

デルタループのエレメントは、1/2λダイポールなどと違い1λで作ります。 まず、狙った波長13mそのままのエレメント長となるよう、寸法をざっくり想定します。 短縮率などの補正は、ここでは無視します。
ループ形状を直角二等辺三角形とした場合、短辺の長さをLとするともう一方の短辺の長さはL、長辺の長さは√2L≒1.4Lとなり、三辺の合計は L+L+1.4L=3.4L となります。 3.4L=13mとしたいので、L≒3.8mとなります。
以上より、釣り竿の長さは3.8mですが、エレメント長にぴったり合うサイズの釣竿はまず売っていませんので、ちょっと長めになるように作ります。 目標とする長さよりも長い場合は切り詰めて調整することができますが、もし短かくなってしまった場合に後から竿を長く加工するのは大変だからです。

例えば、4.5mの釣竿を買ってきて、穂先の部分を取り除いて4mになったとします。 その竿にエレメントワイヤーを張り、4+4+5.6=13.6mで作ってみます。 これでも少し長めなのですが、さらに調整しろとして、エレメントが少したるむように長めにしておきます。
Vマウント上に設置してバランに繋ぎ、バランのMコネクターにアンテナアナライザを繋いで、同調点を測ります。 ここで大事なのは、エレメントの実長を13mとするのではなく、あくまでアンテナが同調している周波数の波長が13mになることです。
波長が13mとなる周波数、つまり約23MHz近辺に同調点が来るようにエレメント長さを調整してやります。 アンテナアナライザで周波数を測定し、23MHzよりも低めであれば、まずはたるませたエレメントを切り詰めて、同調点を高くします。 余長を切り詰めるだけで調整し切れない場合は、バランの設置位置を少し上方に移動してやって、エレメントが短くなるようにしてやります。 それでもまだ同調点が低い場合は、水平部分を切り詰めてV字の角度が狭くなるようにします。
このようにして、エレメントの切断と測定を繰り返して同調点を追い込んでいきます。 ただし、どうせATUで調整するので、±数百kHzぐらいの誤差なら無視して大丈夫です。 適当なところで作業を切り上げて、エレメントとバランとATUを接続し、動作確認してみます。

チューナー本体(RT-100)を取付ける

本体のケーブル接続部

チューナー本体を取付け

デルタループのマウント部の直下に、ATU本体(RT-100)を取付けます。 まず手に取ってみると、その軽さに驚きます。ヤエスのFC-40、アイコムのAH-4、MFJの926Bなど、 競合製品はみな1kgを超えている中で、本品はたったの450gしかありません。 アンテナメーカー製の4.5mや6mの伸縮ポールは意外に華奢で、ポールの上方になるべく重量物を 載せたくないのですが、これほどの軽さであれば神経質にならずに済みます。
接続端子として、ATUの下面にM型コネクタ2カ所と、蝶ネジ1カ所がありますので、 「Antenna」側のM型コネクタにバランからの同軸ケーブルを繋ぎ、「Radio」側のM型コネクタにシャックからの給電線を繋ぎます。 「Gnd」には接地線を接続できますが、なくても動作上問題はありません。

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