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アマチュア無線関連
※チューナーの故障の原因になりますので、FT8などデジタルモードで100W以上の運用をする場合には、最大入力200W以上のアンテナチューナー(RT/RC600など)をご使用頂きます様お願い申し上げます。

総合評価

デルタループ+LDG RT-100屋外型ATUを使用してみた感想です。

エレメント長13mのデルタループは使えるか?

飛ばない?

飛ぶ?

最初の話に戻りますが、アマチュア無線家のブログなど検索してみると、デルタループとATUによるマルチバンドQRVには、 だいたいエレメント長17mのものが使われています。
もちろんそれを知った上で今回13mで製作したのは、ベランダになんとか設置できる範囲の大きさで実用的なアンテナを作ってみようと考えたからです。
実際に製作し、使ってみると「思った以上に遊べる」というのが第一の感想でした。 当初はエレメント長から言って、21MHz、24MHzに近いので「たぶん21MHz以上ならいけるだろう、それより下はどうか?」とハイバンド専用となってもしょうがないと予想していました。
ちなみにこの記事を書いているのは2019年6月の初めです。 ようやく夏のコンディションになりつつあり、たまにEスポが発生してハイバンドがにぎわうこともあります。 しかし平均的にはまだ21MHz以上はそれほど活況ではなく、14MHzも日によってコンディションが劇的に変わります。 「飛ばない?」の絵は、このデルタループを設置した直後の2019/05/29に14MHz FT8でQRVした時のPSK reporterのスクリーンショットです。 アンテナを新調してさっそくQRVしたのがこの状況だったので、本当にガックリ来ました。
一方「飛ぶ?」の絵は、2019/06/09のやはり14MHz FT8のPSK reporterのスクリーンショットです。 短縮ダイポールではなかなか届かない南アフリカまで飛んでいます。 ちなみにどちらも約25Wの出力で送信しています。25Wでこれぐらい飛んでいればまあまあ及第点ではないでしょうか?
拙宅から見て、北から西にかけてひな壇状にせり上がった住宅地があり、こちら側のDXハントはほぼ絶望的ですが、それ以外の南西~北東方向へはなんとか飛んでくれていて、地球の裏側のフォークランド諸島近辺とも交信できています。
国内では7MHz~50MHzまでのCW、SSB、FMもそこそこ遊べています。(いちおう3.5MHzも出られますが、さすがに飛びはほとんど期待できません) SSBやCWなら100Wの入力に耐えますので、記念局の猛パイルにも臆することはありません。
感触的には大手メーカーの、エビの手みたいなマルチバンドVダイポールよりはずっと使えると思いました。

RT-600か?RT-100か?

しかしデジタル30Wしか出せないのがなんとももどかしい制約であります。
例えば100W機でデジタルモード連続送信する際に、100Wフルパワーは無理としても、50Wぐらいは出したいところ。
では上位機種のRT-600を選ぶか、という場面になるのですが、単純に出力だけで比較するのは難しいです。
それだけRT-100の軽さは本当に魅力なのです。
競合機種は、ほぼ全て1.5kg前後の重量がありますが、この重量のものを伸縮ポールの先端に取付けるというのは、やってみると意外に大変なものです。
釣り竿2本とマウント部の重量約1.2kg+ATU1.5kgを高所に設置するにはそれなりにしっかりしたポールと、ステーが必要になりますし、もちろん設置作業もかなり慎重に行わなければなりません。 そこでRT-100アパマンハムまたは戸建ての住宅密集地の方で、デジタルはちょっとやってみたい、SSB、CWはしっかり100W出したい、でも大掛かりなタワーまでは無理、という方には丁度いい位置付けの機種ではないかと思います。

ATUの操作感

いいことずくめかと思うと、少ないながらもマイナス面はあります。
マニュアルチューナーに比べたら格段に簡単ではあるのですが、また違った面倒さがあります。 わずかでも送信をすればATUが目的周波数に同調するということは、逆に言うと送信をしなければ同調できないということでもあります。
仲間がQRVしていないか確認したり、コンディションの把握のためワッチしたりするだけでも、近傍の周波数で一瞬送信してアンテナを同調させてやらなければ、十分な受信性能が発揮されないのです。
ただ、短所と感じていたこの操作もリグ連動するコントローラの登場によって大幅に改善されました。 「低出力で送信し、ATUが同調したら受信に戻る」という操作をボタン一つで行ってくれます。ぜひこのコントローラも併用することをお勧めします。
リグ内蔵のATUのみで運用を行っている方からすれば、外付け機器のTuneボタンを押すことさえ、ひと手間のプラスと感じるかもしれません。しかしそれを差し引いてもトータルで考えた場合に、このシステムの優位さは揺らぐことがないと思いました。
設置高さの影響を受けにくく、ノイズに強く、アースに悩む必要もなく、ATUとの組合せでマルチバンドにQRVできる強みはやはり捨てがたいものがあります。 戸建てやアパマンで、ベランダにアンテナを設置している都市部の無線家の皆さんには、まさにうってつけのシステムと言えるでしょう。

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